2018年2月11日日曜日

【Aussieアーティスト紹介】Flume

こんにちは。
年間ベスト用に立ち上げたブログですが、折角なのでコンテンツを増やしたいと思います。
虚しくなったり飽きてしまったらそれまでですが、おつき合い下さいませ。


ポップミュージックシーンを観察していると、局地的に優れたアーティストを輩出してくる国や地域がありますよね。
有名どころで言うと、カナダからJustin Bieber / Carly Rae Jepsen / Grimes など。それに止まらず、Tegan & Sara、Dragonette、Allie Xら若手中堅アーティストも続々輩出しています。

それからなんと言ってもスウェーデン!!Robyn / Tove Lo / Noonie Bao / Zara Larssonら、世界のポップシーンに名だたるアーティストを多く送り出してきました。巨匠プロデューサーのMax Martinもスウェーデンの方ですね。あのABBAもそう、いつの時代もシンセポップを牽引するのはスウェーデンなんです。

この世界にはポップ名産地がいくつもある…。
では、次なる注目エリアはどこだ!

オーストラリアだ!!


ということで、オーストラリア/ニュージーランドを拠点とするアーティストを独断と偏見で紹介する、Aussieアーティスト特集です。


初回はFlume
なぜか?
メジャーシーンで活躍してるだけでなく、オーストラリア勢と積極的に共演していてAussieアーティスト発掘のきっかけを作ってくれたからです。あと見た目がカワイイ。



Flume、本名 Harley Stretenはシドニー出身の26歳。ステージネームのFlumeは、Bon Iverの曲名からとったそう。
ラップトップで作っていたトラックを新人アーティスト発掘コンペに応募したところ、見事入賞。オーストラリアのレコードレーベル"Future Classic"と契約後、2012年にはデビューアルバム『Flume』をリリースします。


伸びやかなシンセベースを基軸としながら、メランコリックなメロディーと、BPM落とし目なビートでドリーミーなエレクトロレコードといった仕上がり。どことなく温もりのあるサウンドが良いです。
"Sleepless"や"Insane"など、深夜に聴きたくなる宅録ハウストラックがヒット。浮遊感が心地よいです。またゲストには、Chet Fakerら同郷の仲間たちを多数起用しており、まさしく純オーストラリア産レコードでデビューを飾りました。

さらに、Delux盤には自身のリミックスワークも収録。

Disclosureの"You & Me"では原曲を大胆に解体しながら、Flume節が炸裂する名リミックスを披露。(美しいイメージビデオ!)


Hermitudeの"Hyperparadise"も超絶バンガートラックとして再構成しています。


この辺のリミックスでも手腕を存分に発揮しており、Flumeならではのサウンドが抜群にカッコいいです。
ご近所ニュージーランドのスター、Lordeの"Tennis Court"だってこの通り。

デビューアルバムは界隈で高評価を受け、Mom + Pop Musicと契約して北米にも進出。

そして2016年には、2ndアルバム『Skin』を完成させます。
アルバムのアートワークにはオーストラリア出身のデザイナーアーティストJonathan Zawadaを起用。花や植物をモチーフとした神秘的なイメージが目を牽きます。


音楽面も大きく変化を遂げました。PC music勢のバブルガムベースにも接近したような、変則的な近未来サウンドで独自のフューチャーベース路線を展開。ユニークなビートとウワモノ、それに絡みあうシンセが非常にカラフルです。
ヒップホップの要素もかなり強めており、Vince StaplesやVic Mensaらラッパーを迎えドープなトラックが目立ちます。また、BeckやAlunageorgeなど、豪華客演陣が並びます。

オーストラリアで見事1位、BillboardでもDance/Electronic Songsで3位と、Flume最大のヒットとなった"Never Be Like You"。Diploの秘蔵っ子シンガーKaiをボーカルに迎え、浮遊感のあるメロディラインと大胆なビート使いがハマります。サイケデリックなねじれMVも面白いです。


Tove Loを迎えた"Say It"も、緩急つけたシンセが引っ張る開放的な展開が素晴らしい。Tove Loお得意の切なげなメロディもマッチしてエモさ全開です。


ライブパフォーマンスやビジュアルにも力を入れていて、光るバーで出来たキューブを組み合わせた機能的ながらフォトジェニックなDJセットは見ものです。Flumeのライブだと生で演奏してますね。真ん中の隅の位置に立ち、DJテーブルでプレイ、そして端のデジタルドラムを叩きまくります。

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また『Skin』アートワークを使ったアパレルも展開しています。花柄でゆめカワFlume。


そして、『Skin』が2017 Best Dance/Electronic AlubumとしてGrammyの栄光に輝きました。おめでとう!


また、『Skin』本編には未収録のアウトテイクや追加曲を、アルバムヒット記念としてEPでリリースしています。→『Skin Companion EPⅠ/Ⅱ
こちらも軒並み高クオリティなトラックが揃っており必聴です。Pusha T、Glass Animalsらが参加。
オススメは派手めなダンストラックのTRUSTHyperrealあたり。アガります。

世界に進出した後も、Aussieアーティストを招いた音楽制作を続けています。
ランニングマンチャレンジで流行った"My Boo"には、いつもの面子に加えて、Vera BlueやNgaiireらオーストラリア拠点のシンガーを率いて大胆アレンジカバーを披露。



最近ではトラックメーカーとしても躍進中です。

2016年、Alunageorgeの2ndアルバムではタイトルトラック"I Remember"を提供。スムースなミッドエレクトロでとても印象的。

また、Lordeの2nd『Melodrama』ではかつてのリミックス越しに共演を果たし、"The Louvre"(ド名曲!)を手がけています。2017年最高のポップレコードにアクセントを添えていてこれまた素晴らしい!

また、『Skin』で客演していたVince Staplesには、本人のアルバム『Big Fish Theory』で、レーベルメイトのSOPHIEと"Yeah Right"を共同プロデュース。Kučkaちゃんをお伴に、Kendrick Lamar(!)を招聘した激ヤバ布陣でトラックを制作しています。

客演曲だけでなく、知らないオーストラリアの共演陣を追ってみたりして中々楽しい感じなので、その辺も合わせてご紹介出来ればと思います。
以上、これからの活動もますます楽しみな"Flume"の紹介でした。

余談ですが、アザープロジェクトとして、同郷のEmoh Insteadと"What So Not"名義でDJデュオを結成し活動していましたが、こちらは音楽性の不一致から脱退。
片割れとなったWhat So Notですが、そのまま現在も制作をしていてデビューアルバムがこの春リリースです。『Not All The Beautiful Things』こちらも要チェック!

ということで、第1回【Aussieアーティスト紹介】のコーナーでした。
ここまで長々とありがとうございました!