ありがとう2018年。
去年に引き続き、2018年に聴いたアルバムから20選です。
今年はリリースも多くて大混戦。十分に聴き込めないって方も多かったんじゃないでしょうか?
ちゃんと追えなかった取りこぼしもあるのですが、聴いた作品から絞ってみました。
あと、個人的な都合でEPみたいなもの(曲数・収録時間)は省いています。悪しからず。
例によってちょっとしたコメントと、タイトルなど適当に曲のリンク貼りましたので、お役立て下さいませ。
まずは20~11位まで
20. Indiana - Not Girlfriend Material
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イギリス出身のエレクトロ・ポップシンガーIndianaことLauren Hensonの2ndアルバム。2014年『No Romeo』から4年越しの2作目ということですが、ブヨブヨ蠢くシンセをベースとしたスタイルは変わらず、Banksをお手本としたような呻くボーカルがセクシーでカッコイイですね。一方、楽曲はかなりポップ化したというか、軽めのノリのトラックもバランス良くあって楽しめました。独りで踊り狂いたくなる"I Like Drinking"、"My Friends Don't Like You"など暗めのダンスソングがツボです。
19. Tash Sultana - Flow State
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オーストラリアはメルボルンから、ギターにトランペット・ドラムスなんでもござれのマルチプレイヤーTash Sultanaのデビューアルバムです。ジャンルもマルチというかR&Bを軸としたJazz・はたまたTrip Hopなど、とにかく豊かなバックグラウンドと驚異的な楽器プレイに圧倒される1枚。ヘタなロックバンドよりキレてるギターリフが飛び出したり、かと思えばレイドバックしたメロウ・ジャムを聴かせたりと、多彩なトラックには飽きません。新人にして貫禄のあるライブ演奏の様子は一度見たいものですね。Erykah Baduあたりが好きな人にハマりそうです。
18. Kimbra - Primal Heart
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続いてもオセアニア圏から、ニュージーランドの才女Kimbraの4thアルバム『Primal Heart』。彼女の前2作に関しては、ポップネスも感じつつかなりアートポップな領域で勝負してるなという印象でした。しかし今作では、新たにJohn CongletonをExec.プロデューサーに迎え、さらにSkrillexを始めとするヒットメイカーを招聘するなど一気にメジャーシーンまで接近しています。結果として、アクの強さが中和されてユニークなメロディセンスとボーカルに集中できる、良い意味で聴きやすい作品になったと思います。シンセが効いた浮遊感のあるレトロフューチャーなサウンドが素敵。攻めのドープトラック"Top Of The World"からオールディーなポップ"Past Love"など、1曲1曲が個性を放つ意欲作です。
17. Natalie Prass - The Future and The Past
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アメリカはナッシュビルのSSW、Natalie Prassの2作目。前作の可憐な作風も好きですが、そこで指摘されたボーカルの弱さをJanet Jacksonのソレとして今作の音楽スタイルの発想にしてしまうクレバーさにはしてやられたって感じですね。肝心のトラックはまさしくオトナのファンク・ポップといった形でとにかく心地好いです。懐かしいようなサウンドですが決して古臭くはならず、洗練されたスタイリッシュな音像で淡々と踊らせる点も好感触。こういう音楽をサラッとやって見せられると、ただカッコいいの一言に尽きますね。
16. Rae Morris - Someone Out There
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イギリスのエレクトロ系ポップアーティストの2作目となるアルバム。前作『Unguarded』はAriel Rechtshaidが大半の曲を制作していましたが、この2作目はエレクトロニカ畑のアーティストFryarsがプロデュースを手掛けています。"Atletico (The Only One)"や"Do It"といったキラーチューンを揃えつつ、彼女の歌声が際立つ神秘的な"Reborn"、"Dancing With Character"でアーティスティックな面も存分に発揮しており、聴きどころが満載。キラキラとした電子音で彩られ、キャッチーなアートポップとして成功した作品だと思います。
15. NAO - Saturn
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イーストロンドン出身のR&BアーティストNAO、デビュー作から2年ぶりのアルバムです。まず、スタイリッシュなアートワークと宇宙を思わせるコンセプトが美しいですね。1stと同じくGRADESが主体となったプロダクションですが、Mura MasaやStintといった新興プロデューサーが加勢し強力な布陣となっています。前作はオルタナティブな存在感が強かったのですが、今作はドリーミーな成分が増して天上の音楽のような質感。特徴的なヴェルヴェットボイスを存分に生かし、浮遊感のあるエレクトロR&Bを展開しています。ネオソウル風味な"Another Lifetime"や、バウンシーな極上ダンストラック"If You Ever"・"Drive and Disconnect"など、アクセントになる曲もあり充実の1作です。
14. Nicole Millar - Excuse Me
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カナダを出自としオーストラリアを活動拠点としているポップアクト、Nicole Millarのデビューアルバムとなる作品です。彼女自体は2016年からEPを発表しており、一部の曲は今作にも収録されています。セツナ系メロディーを基調とした繊細なボーカル、それと対照的にヘビーめなエレクトロ/ダンスを主軸としたパワーポップで、オーバー気味のプロダクションが昨今だと逆に珍しく虜になりました。また、アルバムを通じてオリエンタルな雰囲気がどこかあり、K-Popにも近い感じがします。モロ80年代なアンセムポップ"Gimme A Break"や、四つ打ちサマーチューン"Pink Sundae"といった強力トラックにはやられました。毒っ気を含んだガールズポップ好きにはオススメです。
13. Jorja Smith - Lost & Found
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イギリスからは若干21歳、新星R&BシンガーJorja Smithのデビューアルバム。Drakeら大物Hip Hopスターからのフックアップにより注目を集めた彼女ですが、自身の作品では客演に頼らず、ルーツとなるオーセンティックなR&B1本という潔さ。艶のある歌声とともに引き算されたプロダクションが相まって、デビュー作ながらとっても格調高い仕上がりです。ところどころネチっこい歌い方で情念深いリリックを歌い上げるのも良いですね。"Blue Lights"や"Teenage Fantasy"といったキャリア初期からのシリアスなトラックも素晴らしいですが、"February 3rd"、"On Your Own"といった新曲群も気高さを感じる好トラックでした。
今年のサマソニでは凄腕演奏陣を率い、堂々としたパフォーマンスでレコードを上回るモノを見せてくれた彼女、早くも次作に期待が向きます。
12. Tirzah - Devotion
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サウスロンドンを拠点とするシンガーTirzahのデビューアルバム。同郷のコラボレーターMICACHUがプロデュースを手掛けており、実験的な要素を含むアーバン・エレクトロアルバムです。鍵盤と打ち込みのビート、そして歌のみと音数は極端に抑えられ、どこまでもミニマルなサウンドメイキング。ほぼビート・ミュージックのようなトラックさえあります。歌が紡ぐメロディーもスキットのようで不定形に近いモノ。まるで掴みどころのない音像なのですが、重低音が生む太いビートとヴェールがかかったような神秘的なボーカルが合わさると不思議な魅力を持って響きます。"Holding On"はアルバムでもキャッチーですが、笑ってしまうくらいにシンプル。「ポップミュージックの最先端」が感じられる面白い1枚だと思います。
11. Cosha - R.I.P Bonzai
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アイルランドはダブリン出身のシンガー、Coshaのデビューアルバム。今年までBonzaiとしてMura Masaとの客演などで活躍していましたが、その名義を捨ててリリースしたのがその名も『R.I.P Bonzai』。前名義ではエキセントリックなエレクトロ・ミュージックで攻めていた彼女ですが、Coshaとしては心機一転、スカにダンスホール、四つ打ちダンストラックまで縦横無尽に行き来してスタイリッシュにキメてくれています。アンニュイな歌声で余裕たっぷりなムード、それでいて強力なトラックが目白押しでめちゃくちゃクール。NAOが客演してたり、Mura Masaが楽曲提供したりという点も注目です。冒頭の"Do You Wanna Dance"からトライバルなダンストラックなんてシビれます。そしてラスト2曲、美しいエレクトロバラード"This Life"からアンセミックなアッパー"Flacko"での締め方もお見事。アルバムを通してよく聴きました。
ここまでオール女性アーティストでしたね。
2018年間ベストアルバム10~1位に続きます。
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