明けましておめでとうございます。よろしく2018年。
2017年に聴いたアルバムから20選です。
順位は完全に独断と偏見。
良さを語るボキャブラリが少ないのはお許しください。
タイトルとかに適当に曲のリンク貼ったので、お役立て下さいませ。
20. Gordi - Reservoir
オーストラリア出身のオルタナ女子GordiことSophie Paytenの1stアルバム。USインディーレーベル<Jagjaguwar>と契約して待望のデビューです。
プロデューサーにはSolangeやBanksで手腕を発揮しているTim Anderson。新人とは思えない深みのあるヴォーカル、またドスドス来るようなトライバルなサウンドが好感触でした。独特の存在感と壮大な世界観で今後も化けそうな彼女、とても面白いと思います。
19. Katy Perry - Witness
2017年のポップ界に狂気を巻き起こしたケイペリさんの4thアルバム。
アギレラさんの『Bionic』との類似性が指摘されてましたが、コレも見事に大ゴケ過剰プロデュースアルバムの一員に仲間入りを果たしました。が、本人は気にせずブッ飛びまくってて最高。ポップ界の希望。近頃のMax Martin一派はギラついたサウンドで攻めてますが、本作もビジュアルと同じく'80sライクなゴテゴテのシンセサウンドが目立ちます。でも、何だかんだKaty印のポップネスは保証された良作。(ネタ的に)いろいろと美味しかった"Bon Appétit"は至高です。
18. Jessie Ware - Glasshouse
イギリスはサウス・ロンドン出身のJessie Ware、3枚目のアルバムです。
前作はBenny BlancoとBen Ash(Two Inch Punch)によるプロデューサータッグBenzelが中心となったポップレコードでした。今作ではグッとソウル寄りに振れ、パワフルな歌声をメインとした深みのあるアルバムとなりました。情熱的で力強いトラックや優雅な3拍子がホントに素敵で、こんなJessie Wareのアルバムが聴いてみたかった。枯れたボッサ調で歌謡曲風味な"Selfish Love"、アルバム1ポップな軽めの"Your Domino"など聴きどころも満点です。ボーナストラック"Love To Love"はおまけには勿体ないくらいなオトナのラブソング。
17. Goldfrapp - Silver Eye
UKインディーシーンで大御所感のあるGoldfrappの7枚目のアルバム。アルバム毎にコロコロと音楽性を変えてきたGoldfrappですが、今作ではエレクトロポップに回帰し、『Supernature』あたりを彷彿とさせる作品となりました。といっても、10余年の間でどんどんスケール感をアップしてきた彼女ら、安っぽさはなく冷たい空気感が心地よいシンセポップアルバムで単純にカッコいいです。"Become The One"とか"Everything Is Never Enough"あたりのちょうどいい軽さも好みでした。でもやっぱりブリブリ鳴ってる"Systemagic"が好き。真新しさはちょっとないのだけれど、待ってましたという感じの作品。
16. London Grammar - Truth Is A Beatutiful Thing
イギリスはノッティンガムが拠点、紅一点Hannah Reidを中心としたオルタナポップバンドの2作目。デビュー作から4年ぶりとなるアルバムですが、スケール感はそのままに深化したサウンドでただただ美しい作品です。Hannah嬢のヴォーカルも久々に聴けて嬉しい限り。凄みも増したし、いつ聴いても素晴らしいです。1曲目からいきなりスケールたっぷりに広がりを見せる"Rooting For You"に続く壮大なトラックたち、そして"Oh Woman Oh Man, ""Hell To The Liars"でクライマックスを迎え、さらに中盤のシリアスな"Everyone Else"、"Non Believer"までの流れが最高にカッコいいです。後半もズッシリ、しめやかに締めて充実の1時間。いつかライブで見てみたいバンド1位です。日本公演やって...。
15. Kehlani - SweetSexySavage
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歌って踊れる系シンガー、Kehlaniのデビューアルバム。
G-Eazyとのデュエット"Good Life"のヒットも記憶に新しいですが、Kehlani本人はしっかりとしたR&Bを主体に、ポップセンス光るトラックの数々を届けてくれました。"Distraction"みたいなメロウな楽曲から"Gangsta"あたりのドープなトラックもお手のモノ。90-00年代の懐かしR&Bっぽいスタイルと、何よりカッコ可愛い歌声がイイです。ちょっぴりハスキーな、情熱的で切ない感じがまた素敵。
サマソニでは、LGBTQアンセム"Undercover"や"I Wanna Be"でバキバキ腹筋を披露しながらガンガン踊る激アツアクトを務めてくれました。
14. SZA - Ctrl
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新世代R&B歌姫SZAのデビューアルバム。
独特のスタンスというか立ち位置ですが、レイドバックしたノリで伸びやかにキュートなヴォーカルを自在に操る彼女。浮遊感ただよう不思議な感覚ながら、とにかく気持ちいい50分。とびっきりメロウな上質R&Bトラックにうっとりでした。全曲ハイクオリティでどれも好きなアルバムですが、中でもポップめな"
Prom"がお気に入りです。この手のジャンルだと昨年はSolange、そして2017年はSZAと名作が続きますね。キャラも気取らずキュートなSZAちゃん。ずっと聴いていたい1枚です。
13. Vince Staples - Big Fish Theory
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カリフォルニア出身のラッパー、Vince Staplesさんの2ndアルバム。Flumeの客演つながりではじめて知りました。
ゲストにKendrick Lamar、プロデュースにはSOPHIEとFlumeタッグ(!)という激ヤバトラック"
Yeah Right"を筆頭に、サイバーな無機質サウンドに乗せて縦横無尽にラップをかますスタイルに一発で惹きこまれました。シーンから浮く異質な存在感を放つアルバムですが、分かりやすく文句ナシのカッコよさで痺れました。透明ケースに金魚ディスクという、シンプルで素敵なアートワークもツボ。Coolの一言に尽きます。
12. Hercules & Love Affair - Omnion
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ニューヨーク出身のDJ、Andy Butlerらによるハウスミュージックを主体としたプロジェクトチーム・Hercules & Love Affair。彼らの通算4枚目となるアルバム『Omnion』です。
今までの作品も好きでしたが、少し玄人向けというかポップス耳にはインパクト不足かなと聞き流していました。が、今作ではSharon van Etten, The HorrorsのFaris Badwanらをゲストボーカルに迎え、趣向を変えてきた印象。結果として、歌って踊れる良質なハウスチューンとダンスポップで固められた1枚となっており、丸っと楽しめました。表題曲"
Omnion"はホントに好き。
11. Logic - Everybody
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こちらも今年を代表するヒップホップアルバムですね。Logicの3枚目のフルアルバム『Everybody』。
過去作品ではキルビルオマージュなど、オタク趣味とヒップホップの化学反応がありとても好きなラッパーです。今作では一転して、人種問題・若者の自殺などシリアスな社会的メッセージを多分に含んだラップを主体とした作品となりました。寸劇チックなインタールードとキレキレラップで埋めつくされたトラック群はただただ圧巻。パキッとしたサウンドで、ガンガン行くライミングはめちゃくちゃアガりました。そして"
1-800-273-8255"は国宝。ポップで聴きやすい・メッセージ性も素晴らしい、まさしくLogicの会心作!
イケイケな奥様と来日旅行してたし、日本公演も期待したいところですね。
10. Dua Lipa - Dua Lipa
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今年イチ躍進した新人女性アーティストの1人Dua Lipa。幾度となくアルバムが延期され(*Deep Breath*)、やっとのことでデビューアルバムがドロップしました。
大型プロデューサー/ライターを数多く起用したテコ入れが功を奏したのか、"
New Rules"でチャート1位を記録するなど、Diva不況の昨今でも目一杯ブチアゲてくれました。貫禄すら感じる低めのヴォーカルで、「Mwah💋」と来たらもうイチコロ。Miguelとのクールなデュエットや、ミッドバラード"IDGAF"もハマっててアルバム再生も1年通して多かったです。
サマソニのライブでもチャリ子不在の中、抜群にカッコよくキメており好印象でした。地獄よりホットだったライブ効果もあり、トップ10にランクインです。
9. Mura Masa - Mura Masa
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新進気鋭のDJ/プロデューサーMura Masaこと若干21歳のAlex Crossanくんによる1stアルバム。
Charli XCXやA$AP Rockyら豪華客演陣もさることながら、ポストEDM、さらにトロピカルハウスの先をもビシビシ感じるトラックづくりで若き才能がほとばしる1枚でした。
トロピカルハウス自体は正直食傷ぎみでしたが、ユニークかつ"抜け感"のあるトラックで飽きることなく聴けました。ユルくノレる、新感覚ダンスミュージック。中身と同様ジャケットもオシャレで素敵です。"Firefly", "Second 2 None"あたりの切なさ全開トラックが夏の終わりにハマりました。
8. Vera Blue - Perennial
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オーストラリアはシドニー出身のシンガーソングライターVera Blue嬢の1stアルバム。
正確には本名Celia Pavey名義でフォークシンガーとしてのキャリアがありますが、オーストラリア版Voiceに出演し「Vera Blue」として再スタートしています。
フォークとエレクトロを融合したサウンドメイキングで、ちょっとダークめのとんがったポップを展開。どこか北欧風味でもあり、繊細なメロディーと予想外に力強い歌声がカッコいいです。"Private"や"Lady Powers"といった攻撃的なエレクトロポップに、"
Regular Touch"みたいなヘンテコポップと盛りだくさん。しっとり美しいミッドバラード("We Used To", "Pedestal", "
Mended")も堪能できます。
Goldfrappとかiamamiwhoami好きにもオススメできる要注目の新人です。
7. Kelela - Take Me Apart
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PBR&Bの流れからさらに進化したオルタナR&Bを牽引する次世代シンガーKelela。Björkも惚れこんだ才女ですね。
ArcaやAriel Rechtshaidらをプロデューサーに迎えた複雑なビートに乗せて、Aaliyahライクなスムースな歌声を響かせています。重低音とシンセベースがカッコいい1stシングル"LMK"は宇多田っぽいなんて言われてましたね。変則ビートやスペーシーなシンセが繰り出されるまさしく近未来のR&Bながら、耳馴染みの良いメロで魅力たっぷりなアルバム。何となく深夜によく聴いてました。"Take Me Apart", "Onanon", "Truth or Dare"あたりがお気に入りです。
EP『Hallucinogen』も含めて良かったし、ビジュアルも攻めてて今後の活躍が楽しみです。
6. George Maple - Lover
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こちらもオーストラリアの新人、George Mapleのデビューアルバム『Lover』。
What So NotやFlumeの客演でキャリアを積んできた彼女ですが、相次ぐシングル曲のリリースを経てついに1stアルバムを完成させました。
スキットによるインタールード含め全20曲という大ボリュームですが、1stシングル"
Sticks and Horses"から"Romancandy"のドープなアーバンチューン、またロッキッシュな表題曲"
Lover"などクールかつセクシーなヴォーカルが良いです。さらに"Kryptonite","Hero"といったアンセムソングがパッケージングされ、どの曲でもグラマラスな歌声が存分に発揮されています。wikiページも存在しない知る人ぞ知るアーティストですが、曲のクオリティは高いと思うので聴いてみて!
5. Björk - Utopia
恋愛に目覚めた発情BBABjörk御大による2年ぶりのアルバム。前作『Vulnicura』では失恋というか離婚体験から、ヒリヒリとした感情をストリングスに乗せて音楽を紡いでいましたが、それを乗り越えての9枚目です。
今作はのっけから「Tinder(出会い系)アルバムよ❤️」と豪語し、発売前から界隈をザワつかせました。しかし蓋を開けて見れば、Björkが培ってきた豊かなサウンドで圧巻。まず印象的なのは、新たに結成された女性フルート隊によるオリエンタルな音世界。さらに前作よりプロデュースで続投したArcaも、超自然的なビートでBjörkと一体となり別世界を構築しています。過去作(『Homogenic』,『Vespertine』あたり)のエッセンスを感じるハープの音色や美メロもグッときました。1曲目の"
Arisen My Senses"から聴き手を飲み込むスケール感は感涙モノ。
迦陵頻伽のようなビジュアルに相応しく、独自のサウンドで天界の音楽を奏でるBjörkなのでした。ジャケ画でドン引きして聴かないのはもったいない!
4. Tove Lo - Blue Lips (Lady Wood Phase II)
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スウェーデン出身のシンガーソングライターTove LoによるLady Woodシリーズ第2弾。
11月はブッチ切りでこのアルバムに夢中になりました。トヴ子、最高。
前作から引き続きプロダクションチームThe Strutsを率い、メチャクチャ上質なシンセポップが並びます。トヴ子のメロディーセンスも相変わらずというか磨きがかかっており、エモーショナルな歌唱と相まって非常にエモい1枚。ドラッグ・セックスがテーマなのは同じなのだけれど、冷徹なスタンスから盛り上がる前作から地続きで、さらに熱っぽくアドレナリン垂れ流しな1時間弱が気持ち良いです。締めの"Hey You Got Drugs?"も大団円的フィナーレを飾っていて美しい。
1stシングルのタイトルが"
ディスコ乳"な時点で裏切らないスケベ女子のバイブル盤。Tove Loに一生ついてイきたいと思わせる傑作です。円盤も早くつくって…。
3. Lana Del Rey - Lust For Life
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Lana Del Reyの4枚目となるフルアルバム『Lust For Life』。デビュー時から一貫して自らのアート"サッドコア"を体現してきたおラナですが、今作はファンの為のアルバムということで雰囲気を変えてきました。といっても基本は変わらず曲はおラナ節が健在ですね。
収録時間は過去最長を更新し、新たにヒップホップやカントリーアクトとの共演も果たした意欲作だと思います。ヒップホップやトラップとの相性はこれまでの作品でも垣間見せてきましたが、絶妙なディレクションで1つネクストレベルに達した形でしょうか。おラナ、多作の割に全くハズさないあたり流石…。
"
Love"で見せた微笑も衝撃でしたが、破滅と希望を抱き合わせたような曲の数々で2017年を象徴するアルバムです。大名曲"Get Free"でフワッと終わらせるのも粋。
悲劇のヒロインを演じることを辞めたおラナの実力を噛み締めたアルバムでした。
2. Lorde - Melodrama
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ニュージーランド出身の21歳Lordeちゃんの2ndアルバム。前作『Pure Heroin』では"Royals"が大ヒットし世界を席巻しましたが、その後蛇女軍団に取りこまれちょっと迷走した彼女。4年ぶりとなる本作を製作するにあたって、Britney SpearsやRihanna, Katy Perryらポップスターに対するリスペクトを語っていた彼女ですが、そのポップミュージックに対する愛を形にしたような素晴らしいアルバムでした。
飛ぶ鳥を落とす勢いのJack Antonoffを中心に据えたプロダクションで、まず"Green Light"で掴みはバッチリ。Tove Lo("
Homemade Dyanamite")やFlume("
The Louvre")をライターに起用するなど人選もカンペキ。Robynの名曲"Dancing On My Own"に匹敵する"Supercut"から"Perfect Places"と、頭から終わりまで上質なポップで大大満足。そして、名バラード"Liability"。若さとヒネりがある切ないリリックが良いよね。ってことで次作も期待大です!!
1. The Sound of Arrows - Stay Free
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エレクトロポップデュオ・The Sound of Arrowsの5年ぶりとなる2ndアルバム。
前作『Voyage』も彼らのつくるアトモスフェリックなドリーム・ポップを堪能できる良作でしたが、今作では歌モノ寄りの作風となり、100%ピュアなポップソングをそろえた素晴らしいアルバムを届けてくれました!!
共同プロデューサーとしてRichard Xが引き続き登板しており、レトロSFなサウンドで懐かしい感じ。繰り返される「There Is No Beginning」のオープニングコールから始まり、まるで1本の映画を観ているような45分間、聴き終えて多幸感に浸れる作品です。
ディズニーのミュージカルのような"
Beautiful Life"を筆頭に、キラキラしたシンセに繊細なストリングが挟まれる美しいトラック"
Don't Worry"、切ないミッドバラード"The Greatest"など、美しくも温かみのある曲が目白押し。エンドロールのようなNiki & Doveとのコラボ"The Shade of Your Love"と来て、また「There Is No Beginning」へ還っていく。極上のポップソングにより作りこまれた世界観が感動的で、優しく人を勇気づけるアルバムだと思います。冬にかけて繰り返しよく聴いていました。
マイナーアーティストですが、とにかく1度聴いて欲しい作品です。大好き!
以上、2017年のアルバムベスト20でした!
何書けば良いか分からなかったので好き勝手語りましたが、楽しんで頂ければこれ幸いです。
勢いでブログ作っちゃったので、何かしら企画して続けたいと思います。ご贔屓にどうぞ。